ニュースの概要
カーリース事業者のクルカが、普通自動車免許を持つ20代の男女1,017人に、車への意識と保有方法について尋ねた。新しい車に関心を持つ人は約半数に達した。一方で、購入時の障壁は購入費用が43.5%、維持費が39.1%と高い。車の持ち方として知られているものは、現金一括購入が52.0%で最多となり、レンタカーが37.3%、カーリースが33.7%で続いた。車への関心そのものは失われていないのに、費用への不安と選択肢の認知不足が重なって、購入に進めない。そんな若年層の姿が浮かぶ調査結果である。
引用元: 20代の約半数が新しい車に関心、購入費用と維持費が主な障壁に(FNNプライムオンライン(PR TIMES))
分析・見解
関心はあるのに動けない、20代の本音が数字に表れた
今回の調査の対象は、普通自動車免許を持つ20代の男女1,017人である。新しい車に関心を持つ人は約半数だった。「若者の車離れ」という言い方から想像するより、高い数字ではないだろうか。
ただし、関心があることと買うことは別である。障壁の1位は購入費用の43.5%、2位は維持費の39.1%だった。問題は「欲しくない」ではなく、「持ち続ける自信がない」ことにある。需要がないのではなく、需要が財布の前で止まっていると読める。
現金一括が最も知られ、リースは3人に1人
保有方法の認知度は、現金一括購入が52.0%、レンタカーが37.3%、カーリースが33.7%だった。現金一括が首位なのは自然である。親の世代が使ってきた買い方が、そのまま「車の買い方の標準」として頭に残っているからだ。
注目したいのは、カーリースの認知が約3分の1にとどまる点である。カーリースとは、月々の定額で車に乗れる契約のことだ(=頭金を抑え、税金や車検費用も月額に含められる仕組み)。費用の壁に悩む層にこそ向く方法が、十分に届いていない。選択肢が足りないのではなく、知られていないことが壁を高くしている。
車の価値が「所有」から「使う権利」へ移る
動画や音楽の定額サービスに慣れた世代にとって、モノを持たずに使う権利だけを買う感覚は自然である。住まいの家具や家電でも、定額で借りる仕組みは広がってきた。その中で車だけが「大きな金額を一括で払う」形のままだと、かえって不自然に映る。
一方で、カーリースにも弱点はある。契約期間の途中で解約すると、違約金がかかる場合が多い。走行距離に上限があったり、返却時の傷に条件がついたりもする。利点だけを語ると、契約後の不満につながりやすい。
総額と月額を並べて示すことが突破口になる
購入費用と維持費は別の悩みに見えて、根は同じである。「結局いくらかかるのか分からない」という不安だ。車両代、保険、駐車場、ガソリン代、税金、車検。項目が多いほど全体像が見えず、手前であきらめてしまう。
レンタカーの認知が37.3%あることも示唆的である。必要な日だけ借りる使い方は、費用が読みやすい。20代は「全部を引き受ける」か「まったく持たない」かの二択ではなく、その中間を探している。今後はカーシェアや中古車の定額プランも含め、段階的に車と付き合う道筋が増えていくだろう。独自の視点として強調したいのは、この世代の障壁が価格の高さそのものより、費用が見通せないことにある点だ。見通しを立てやすくした事業者から、選ばれていく。
ビジネスへの影響
価格表は月額と総額を並べて見せる
車に関わる事業者は、価格の見せ方を見直したい。購入費用を障壁とした人が43.5%いる以上、車両価格だけを大きく掲げても20代の不安は消えない。月々の支払い、保険、税金、車検まで含めた「1か月あたりの実質負担」を示すと、比較しやすくなる。総額も同時に出せば、安く見せているだけだという疑いも避けられる。
今は買わない人も将来の顧客として育てる
関心が約半数あるのに購入へ進めない人は多い。この層に「今すぐ契約を」と迫っても反応は薄い。まずはレンタカーやカーシェアの体験、維持費の試算ツール、免許取得後の乗り方ガイドなど、負担の小さい接点を用意する。就職、結婚、転居で車が必要になったとき、最初に思い出してもらえる関係が資産になる。
契約条件は先に伝えて信頼を得る
カーリースは認知が33.7%と低く、仕組みを知らないまま広告を見る人が多い。だからこそ、途中解約の扱い、走行距離の上限、返却時の傷の基準を、契約前に分かりやすく書いておく。不利に見える条件を隠さない姿勢は、口コミでも強い。
情報発信の面では、「維持費はいくらか」「リースと購入はどう違うか」といった疑問に答える記事が検索の入口になる。問い合わせ内容を集計し、多い不安から順に記事やFAQにしていく運用が現実的である。
