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韓国がレンタル取扱枠を実質2倍に緩和、金融会社の事業戦略はどう変わるか

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韓国がレンタル取扱枠を実質2倍に緩和、金融会社の事業戦略はどう変わるか

韓国金融委員会がキャピタル会社のレンタル取扱上限を実質2倍に緩める改正案を公表。リースと割賦金融の合計を基準にし、物件別上限も廃止する。その狙いと日本企業への影響、実務上の注意点を解説する。

ニュースの概要

韓国の金融委員会は10月25日、与信専門金融会社(いわゆるキャピタル会社)が手がけるレンタル事業の取扱上限を緩める改正案を公表した。これまでは、レンタル資産の残高がリース資産の残高を超えてはならず、物件ごとにも同じ枠がかかっていた。改正案では、全体の枠をリース資産と割賦金融資産の合計で測り直し、物件別の上限は撤廃する。報道では、リースの取扱額が1億ウォンの会社なら、従来の上限が1億ウォンだったところ、実質で倍の水準まで広がると説明されている。リースや分割払い融資を本業にしてきた金融会社に、レンタルという新しい収益源を伸ばす余地を与える内容である。

引用元: 韓国金融当局、キャピタル会社のレンタル取扱上限を実質2倍に緩和(Segye Ilbo)

分析・見解

リース残高に縛られていた枠が、金融資産の合計に変わる

現行の仕組みでは、レンタルはリースの付属事業として扱われてきた。レンタル残高はリース残高を超えられず、物件ごとにも同じ制限がある。リースの取扱いが少ない会社は、レンタルも伸ばせない。本業の大きさで副業の大きさまで決まる設計である。

改正案は、物差しをリースだけでなく割賦金融(=分割払いで代金を回収する融資)を加えた合計に替える。キャピタル会社には、リースより割賦金融のほうが大きい会社も多い。そうした会社ほど、枠の広がりは大きくなる。「実質2倍」という数字は、リースと割賦が同程度の会社を想定した目安と読むのが自然だ。

物件別の上限をなくす意味は、数字以上に大きい

全体枠の拡大より実務に効くのは、物件別の上限の廃止である。医療機器や建設機械のように、需要が特定の品目に偏る分野では、物件別の枠が先に埋まる。全体に余裕があっても、その品目だけ新規契約を断る事態が起きていた。この壁が消えれば、強い品目に集中して商品力を磨く戦略が取れる。

ただし、特定品目への集中には代償がある。中古市場の相場が下がれば、返却された物の再販価格が落ち、損失が一度に出る。枠が自由になった分だけ、集中の度合いは各社の判断に委ねられる。

日本のリース業が歩んだ道との共通点と違い

日本ではリース会社が早くからレンタルやサブスクリプション型の事業を広げた。車両、情報機器、建設機械のレンタルは、今や主力事業のひとつである。韓国の改正は、この流れに制度面で追いつく動きに見える。

一方、日本では2027年度から新しいリース会計基準(=借りた物をほぼ全て貸借対照表に載せる方式)が義務化される。借り手から見ると、リースとレンタルの境目はかつてほど意味を持たなくなる。韓国の規制がなお「リース残高」を基準にしていた点は、その境目に頼った古い設計だったとも言える。今回の見直しは、その前提を静かに手放す一歩である。

緩和の裏で問われる、回収と残存価値の管理

規制緩和は、リスク管理の甘さを許すものではない。レンタルは契約期間が短く、途中解約も多い。リースのように満額回収を約束した契約ではないので、稼働率が収益を左右する。金融当局が枠を広げる代わりに、自己資本や資金繰りの監督を強める可能性は残る。今後の焦点は、意見募集の結果と、併せて示される健全性基準の中身である。

ビジネスへの影響

日本企業が韓国市場で取れる三つの動き

日本のリース会社や機器メーカーにとって、韓国のキャピタル会社は提携先にも競合にもなりうる。第一に、機器メーカーは韓国側の金融会社にレンタル用の在庫を卸す道が広がる。第二に、中古機器の買い取りや再販の仕組みを持つ会社は、返却品の受け皿として提携を持ちかけられる。第三に、保守やリモート監視を組み合わせた運用サービスは、稼働率を上げたい金融会社にとって魅力的な商材になる。

レンタルを始める前に確認したい数字

自社でレンタル事業を検討する会社は、次の三点を先に確認したい。

ひとつ目は稼働率である。貸し出し中の割合が損益分岐を下回れば、枠が広がっても利益は出ない。ふたつ目は残存価値、つまり返却時にいくらで売れるかの見立てである。品目ごとに過去の売却実績を集めておくと、評価が現実的になる。みっつ目は資金の調達コストである。リースと違い、レンタルは資産を自社の帳簿に長く抱える。借入の金利が上がる局面では、保有期間の長さがそのまま負担になる。

規制の方向を読んで、投資の順番を決める

制度変更は案の段階であり、最終的な内容は変わりうる。意思決定者は、公表された条文をそのまま前提にせず、意見募集の結果が出るまでは小さく試す姿勢が現実的だ。まず稼働率の高い一品目で実績を作り、その数字をもとに追加投資の可否を判断する。物件別の上限が消えるからこそ、どの品目に絞るかが、各社の力量を分ける。

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